プテラノドンの特徴|見た目や骨格のひみつ
頭のとさかと長いくちばし
プテラノドンのいちばん目立つ特徴は、大きなとさかです。頭のうしろにピンと突き出したようなこのとさかは、バランスを取るための重りだったと考えられています。とさかの形や大きさは、オスとメスでちがっていたかもしれません。
また、口には歯がなく、細長いくちばしがついていました。くちばしの形は、魚をつかまえるのに向いていて、プテラノドンが空から海に飛びこんで魚を食べていたと考えられています。
骨は中がスカスカ?軽くて飛べる工夫
詳しくは後で話しますが、プテラノドンが翼を広げると7メートル以上ありました。人間よりはるかに大きいです。
そのため、プテラノドンの骨格(こっかく)には、空を飛ぶための大きな工夫がありました。それは、「骨が中空構造(ちゅうくうこうぞう)」だったことです。
つまり、骨の中はスカスカで空洞(くうどう)になっていて、重さをできるだけ軽くしていたのです。人間のように骨の中にぎっしりとした骨髄(こつずい)がないので、同じ大きさの動物よりずっと軽かったとされています。
その結果、体の巨大さにもかかわらず体重はかなり軽かったようです(詳しくは後ほど)。これが、空をすいすい飛ぶことを可能にしたのです。
プテラノドンの大きさと体重はどれくらい
羽を広げると7メートル以上!
プテラノドンの「翼(つばさ)」は、前足の指と体の横につながる皮ふでできていました。コウモリの羽のような形をイメージするとわかりやすいです。
そして、翼を広げた長さ(翼開長)は、なんと7〜8メートルにもなります。これは、現代の大型の鳥(コンドルやハゲワシ)よりもずっと大きく、人間の身長の3〜4倍のスケールです。これは小型飛行機と同じくらいの大きさで、史上最大級の飛ぶ生き物のひとつとされています。
このサイズの翼があれば、風に乗って長い距離を飛ぶグライダーのような飛行ができたと考えられています。とくに海の上を長時間すべるように飛びながら、魚を探していたのでしょう。
でも体重は意外と軽い?10~20kgのひみつ
こんなに大きな体をしているのに、体重はたったの10〜20kgほどだったと考えられています。これは中型の七面鳥や白鳥と同じくらいの重さです。
その理由は、前のセクションでも紹介したように、骨の中がスカスカ(中空構造)だったから。体の重さをおさえることで、翼でのグライダー飛行をしやすくしていたのです。
また、プテラノドンは筋肉をたくさん使って羽ばたくのではなく、できるだけ体力を使わずに風に乗って飛ぶスタイルだったと考えられています。
このように、プテラノドンの大きさと体の軽さは、空を飛ぶためにとてもよくできた進化の結果なのです。
🕊 プテラノドンは本当に飛べなかったの?
インターネットや本などで「プテラノドンは飛べなかったのでは?」という情報を見かけたことはありませんか?これは一部の研究者がとなえた説が広まったもので、誤解されている部分も多いんです。
ここでは、「飛べなかった説」の理由と、それに対する反論をわかりやすく解説します。
「飛べない」と言われる理由
「プテラノドン 飛べない」と言われる理由には、いくつかのポイントがあります。
- 翼が大きすぎて重すぎるのでは?
- 筋肉が足りなくて羽ばたけなかったのでは?
- 離陸のための力が弱く、空に飛び立てなかったのでは?
こうした意見は、一部の古い研究や、現代の飛行機のような感覚でプテラノドンを見たことによる誤解から生まれたものです。
たしかに、翼を大きく広げただけで7メートル以上もあるため、現代の鳥と同じように羽ばたいて飛ぶのは難しかったかもしれません。
実際は風に乗って空を飛んでいた!
現在では多くの研究者が、プテラノドンはグライダーのように滑空(かっくう)して飛んでいたと考えています。
つまり、高いところから風に乗って滑るように飛ぶスタイルです。
また、最新の研究では、前足を使って地面をけってジャンプし、すばやく空に飛び立つ動作(クアドラップル・ランチ)をしていたのではないか、とも言われています。これは現代のコウモリのような動きで、空を飛ぶにはとても効率のよい方法です。
プテラノドンは、
- 軽くて中がスカスカな骨格
- 大きな翼
- 風の力を使う飛び方
という3つの力を使って、実際にはとても上手に空を飛んでいたと考えられます。
つまり、「プテラノドンは飛べなかった」というのは誤解で、むしろ空の名パイロットだったのです!
まとめ|プテラノドンの特徴をおさらい!
ここまで、空を飛んでいたふしぎな生き物「プテラノドン」について、やさしく解説してきました。最後にもう一度、特徴・大きさ・鳴き声・飛べなかった説をおさらいしましょう。
プテラノドンの特徴は?
- 大きな頭のとさかと長いくちばしが目立つ
- 翼はコウモリのような形で、皮ふでできた構造
- 骨格は中がスカスカ(中空構造)で、とても軽い体
プテラノドンの大きさは?
- 翼を広げると7〜8メートル!とても大きな翼竜
- でも体重は10〜20kgほどと意外と軽かった
プテラノドンは飛べなかった? → 飛べました!
- 一部で「飛べない」という説もあったが、誤解
- 実際は風に乗ってすべるように飛ぶグライダータイプ
プテラノドンは、太古の空を舞うロマンに満ちた生き物です。
その体のつくりや飛び方、鳴き声にいたるまで、今もなお多くのひみつが残されています。
ぜひこれからも、「恐竜」や「古生物」の世界にふれて、もっとたくさんの“昔のいきもの”たちを知ってみてくださいね!